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【最新決算トピックス】営業収益は過去最高、配当は据え置き16期連続増配
※最終更新日:2026/08/07
2026年8月6日発表の第1四半期決算では、営業収益が過去最高を更新(+10.9%)した一方、営業利益は+4.9%にとどまり、営業利益率は12.42%から11.75%へ低下しました。低採算のグローバル・ソリューション事業(NTTデータ)の伸びが増収の約半分を占めており、増収するほど利益率が薄まる構造が見えています。配当は年間5.40円で据え置き、16期連続増配路線は維持されました。決算はコンセンサスを上回り、株価はポジティブに反応しています。
保有銘柄の中でも、通信という生活インフラを担うNTT(日本電信電話)。配当金という切り口で、この会社の決算数字を読み解いていきます。
NTTとは:通信を土台に、データセンター・IOWNへ広がる事業
NTTは、NTTドコモ・NTT東日本・NTT西日本・NTTデータなどを統括する持株会社です。国内の通信インフラという安定した収益基盤を持ちながら、近年はNTTデータによるデータセンター事業のグローバル展開、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」への投資など、成長分野への展開も進めています。
「地味だが手堅い通信株」というイメージだけでなく、成長投資への挑戦も同時に進めている企業だという理解が、決算数字を読み解くうえでの前提になります。
なぜNTT株は下がっているのに、配当利回りは上がっているのか
株価の推移:2024年高値192.9円→直近安値142.6円
NTTの株価は、2024年の新NISA開始時につけた高値192.9円から、1年以上にわたって下落・横ばい基調が続いています。直近では142.6円という安値をつける場面もありました。
配当利回りは3.5〜3.7%まで上昇
一方で、配当自体は増え続けているため、株価が下がるにつれて配当利回りは上昇しています。現在の配当利回りはおよそ3.5〜3.7%の水準で推移しており、新NISAでも度々話題になる国民的高配当株のひとつという位置づけです。
株価下落と高利回りの関係を正しく理解する
「株価が下がっている=業績が悪化している」と受け取ってしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。配当利回りは「配当額÷株価」で計算されるため、配当が増え続けている状況で株価が下がれば、利回りは自動的に上昇します。株価の動きだけでなく、配当そのものの推移や、その裏付けとなる利益成長を確認することが重要です。
配当利回りの計算方法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
【配当利回りの見方・計算方法:初心者が知っておくべき注意点】
累進配当という方針:何期連続増配なのか
NTTは、業績や財務状況を総合的に考慮しながら、株主への還元を重視する姿勢を長年にわたって続けており、16期連続増配という実績を積み重ねています。2026年度の年間配当額は1株あたり5.4円(前年度比+0.1円)の予定で、これは2003年度と比較すると10倍以上にまで拡大した水準です。累進配当(前期の配当実績に対して、維持または増配を行う方針)という考え方は、このブログで解説してきた他の高配当株とも共通する軸です。
配当性向は42%前後で推移
配当性向(利益のうちどれだけを配当に回しているか)は、42%前後で推移しています。極端に高い水準ではなく、業績の変動に対してもある程度の余力を保った、無理のない配当方針だと捉えられます。
配当性向の見方についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
増配株というカテゴリーについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
最新決算の進捗率を確認する
2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)の実績です。
| 項目 | 1Q実績 | 前年同期比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 3兆6,177億円 | +10.9% | 15兆600億円 | 24.0% |
| 営業利益 | 4,251億円 | +4.9% | 1兆7,100億円 | 24.9% |
| 当社帰属利益 | 2,748億円 | +5.8% | 9,800億円 | 28.0% |
営業収益は過去最高を更新しましたが、増収分の約半分を占めるグローバル・ソリューション事業(NTTデータ)は営業利益率5.0%と低採算のため、全社の営業利益率は12.42%から11.75%へと低下しています。「増収するほど利益率が薄まる」という構造は、今後も注視しておきたいポイントです。
通期予想(増収減益)に修正はなく、配当予想も年間5.40円で据え置き。16期連続増配、配当性向44.6%という水準です。
NTTの事業構造:国内通信という安定基盤と、NTTデータのグローバル展開
NTTの収益の土台は、スマートフォンなどの通信料金という、景気変動の影響を受けにくい国内通信事業です。どれほど経済環境が変化しても、通信インフラという生活必需品的なサービスへの需要は簡単には減少しません。
そのうえで、NTTデータはデータセンター事業で世界3位規模の存在感を持っており、圧倒的な高速通信と低コストを実現する次世代通信基盤「IOWN」も将来的な成長ドライバーとして控えています。「安定した土台」と「成長への挑戦」が同居しているのが、NTTという会社の特徴です。
同じ通信セクターのKDDI・ソフトバンクとの比較については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
リスク要因:政府保有・規制産業としての特殊性
財務省が3分の1の株式を保有する「国家株」という位置づけ
NTTは、財務省が発行済株式の3分の1を保有する、いわゆる「国家株」です。これは経営の安定性という意味では安心材料になる一方、政策や制度変更の影響を受けやすいという特殊性も持ち合わせています。通信という規制産業ならではの構造として、押さえておきたいポイントです。
NTT法という、他の通信株にはない固有の制約
NTTには、他の通信会社にはない「NTT法」という特別な法律による制約があります。外資規制や、あまねく全国でサービスを提供する「ユニバーサルサービス」の義務など、事業運営に独自の縛りがあり、この制度がどう変わっていくかは株価にも影響を与える要因のひとつです。
自己資本比率が業界内で低水準という財務構造
NTTは2020年のNTTドコモ完全子会社化で約4.3兆円の借入、2025年のNTTデータグループ完全子会社化で約2.6兆円の社債発行を行っており、自己資本比率は通信業界の中でも低い水準にあります。積極的なM&Aによる成長投資の裏側として、財務レバレッジがやや高めであるという点は、押さえておきたいポイントです。
直近の決算では、支払利息が前年同期比+53%(424億円→650億円)まで増加しています。有利子負債が16兆円規模にのぼる中、金利上昇局面ではこの利息負担がさらに膨らむ可能性があり、高配当株として保有するうえで継続的に注視したいポイントです。7月には海外で1兆円超規模の社債も追加発行されており、今後の動向を確認していく必要があります。
通信料金は景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ性
一方で、通信料金という収益の柱は、好景気・不景気にかかわらず一定の需要が見込めるディフェンシブな性質を持っています。これは高配当株として長期保有を考える際の、安心材料のひとつです。
まとめ:株価の動きだけでなく、配当の中身を確認する
- NTTは通信インフラを土台に、データセンター・IOWNという成長分野にも展開する企業
- 株価は2024年の高値から下落基調が続く一方、配当は増え続けており、配当利回りは3.5〜3.7%まで上昇
- 16期連続増配、2026年度の年間配当は5.4円(2003年度比10倍以上)、配当性向は42%前後と無理のない水準
- 直近決算では営業収益が過去最高を更新した一方、低採算事業の伸びで営業利益率は低下、支払利息も+53%と増加
- 財務省が3分の1を保有する「国家株」という特殊性、NTT法という固有の制約、通信料金のディフェンシブ性という複数の側面を持つ
株価の動きに一喜一憂するのではなく、配当そのものの推移や、決算数字の裏付けを確認する習慣が、長期の高配当株投資には欠かせません。まずは証券口座を開いて、自分なりの決算チェックの習慣を始めてみてください。
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保有銘柄の全体像についてはこちらの記事でまとめています。

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