銘柄スカウターで「売り時」を判断する:三菱UFJ・1343・INPEXで実際に使った視点

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マネックス証券の「銘柄スカウター」を使った高配当株の選び方については、これまでこのブログでも何度か紹介してきました。

高配当株を「勘」で選ばない。銘柄スカウターでスクリーニングする方法

ただ、実際に投資を続けていると気づくことがあります。「買い時」を教えてくれる情報はたくさんあるのに、「売り時」をどう判断すればいいかという情報は、驚くほど少ないのです。


「買い時」の情報は多いのに、「売り時」の情報は少ない

証券会社や個人投資家のブログを見渡すと、「銘柄スカウターでスクリーニングして割安株を見つける方法」「連続増配株を探す方法」といった、買うための情報は非常に充実しています

一方で、「保有している銘柄をいつ、どんな基準で売るべきか」を扱った情報は、探してもなかなか見つかりません。高配当株投資は「買ったらずっと持ち続ける」というイメージが強いからかもしれませんが、実際には利益確定や減配リスクの回避のために、一部売却という判断が必要になる場面があります。

このブログでも、これまで複数の銘柄で実際に一部売却の判断をしてきました。その際に銘柄スカウターでどんな視点を確認していたのか、具体的な実例とともに紹介します。


銘柄スカウターで確認する、3つの売却シグナル

①連続増配のストップ・減配の兆候

配当履歴を確認し、連続増配が止まっていないか、あるいは減配の兆候がないかをチェックします。これまで順調に増配してきた銘柄が、突然横ばいや減配に転じた場合は、注意すべきシグナルのひとつです。

②配当性向の急上昇

配当性向(利益に対する配当の割合)が短期間で急上昇している場合、企業が無理をして配当を維持している可能性があります。業績が伴わないまま配当性向だけが高くなっている銘柄は、将来的な減配リスクを抱えていると考えられます。

配当性向の考え方についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

配当性向とは何か:高いと何が問題なのか

③理論株価との大きな乖離(値上がり益確定のサイン)

銘柄スカウターには理論株価という指標もあります。実際の株価がこの理論株価を大きく上回っている場合、その銘柄が「値上がりしすぎている」可能性を示しています。配当だけでなく、値上がり益も投資リターンの一部と捉えるなら、こうした乖離は利益確定を検討する材料になります。


実例①:三菱UFJ、値上がり益確定のための一部売却

実際にこの視点を使った例を紹介します。三菱UFJフィナンシャル・グループは、2025年12月、株価が想定以上に上昇したタイミングで一部を売却しました。

この判断のきっかけは、配当の数年分(約10年ほど)に相当する値上がり益がすでに出ていたことです。業績や配当方針に問題があったわけではなく、あくまで利益確定という前向きな理由での売却でした。その後、株価が割安な水準に戻ったタイミングを見計らって、買い増しを再開しています。

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実例②:1343(REIT)、金利上昇局面での利益確定

J-REIT指数連動ETFの1343についても、同様の判断をしています。金利上昇局面でREITの価格が上昇したタイミングを捉え、保有株数の一部を売却しました。

REITの価格は金利動向の影響を受けやすいという特性があります。値上がりしたタイミングで一部を利益確定し、割安な時期に改めて買い増すという方針は、三菱UFJのケースと同じ判断軸に基づいています。


実例③:INPEX、地政学リスクを見た一部売却

INPEXについては、少し異なる視点での売却判断でした。2026年2月末、イスラエル・米国によるイラン攻撃を受けて中東情勢が緊迫化し、原油価格が高騰。保有していたINPEXの株価も上場来高値を更新する場面がありました。

この局面では、「大国対途上国」という構図から軍事衝突が長期化する可能性は低いだろうという判断と、すでに配当の10年分を超える値上がり益が出ていたことを踏まえ、一部を売却しました。地政学リスクという外部要因が、株価の急騰という形で表れたタイミングを捉えた判断です。

2026年3月配当株解説:地政学リスクと向き合った、INPEX一部売却の判断

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「売る」ことは悪いことではない、という考え方

高配当株投資というと「一度買ったら売らずに持ち続ける」というイメージを持たれがちですが、これまでの3つの実例からもわかる通り、適切なタイミングでの一部売却は、資産形成における自然な選択肢のひとつです。

ただし、これらの売却はいずれも「資産規模がまだ小さい今だからこそ」行っている、やや例外的な判断でもあります。基本の方針は、割安な水準で買い、増配が続く限り保有し続けるというものです。数期にわたって減配が続くような銘柄であれば売却を検討しますが、値上がり益による売却は、資産が大きくなるにつれて自然と少なくなっていくと考えています。

保有銘柄全体の方針については、こちらの記事でもまとめています。

高配当株ポートフォリオの全体像:29銘柄・8業種で分散する理由


まとめ:銘柄スカウターは「買う」だけでなく「売る」判断にも使える

  • 銘柄スカウターを使った「買い時」の情報は豊富だが、「売り時」を扱った情報は少ない
  • 売却シグナルとして、連続増配のストップ・配当性向の急上昇・理論株価との乖離という3つの視点が使える
  • 三菱UFJ・1343は値上がり益確定という前向きな理由での一部売却
  • INPEXは地政学リスクによる株価急騰を捉えた売却判断
  • ただしこうした売却は資産規模が小さい今だからこその、やや例外的な判断であり、基本は増配が続く限り保有し続ける方針

銘柄スカウターは、銘柄を選ぶときだけでなく、保有銘柄を見直すときにも役立つツールです。まずは証券口座を開いて、自分なりの判断軸を育ててみてください。

銘柄スカウターの使い方:NTTを例に画面の見方を解説

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保有銘柄の全体像についてはこちらの記事でまとめています。

高配当株ポートフォリオの全体像:29銘柄・8業種で分散する理由

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