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チョコレートは農産物です。産地が変われば、味が変わる。気候が変われば、香りが変わる。
サロン・デュ・ショコラ(サロショ)の会場を歩くたびに、その実感が強くなります。ボリビア・ベトナム・コロンビア・サントメプリンシペ……ショーケースに並ぶタブレットのラベルを読み進めていくと、気づけば世界地図を眺めているような気分になります。
地理が好きなわたしにとって、サロショのBean to Bar期は「チョコレートで世界を旅する1日」です。2025年で5年連続の参加となりました。
サロン・デュ・ショコラとは?
サロン・デュ・ショコラは、1995年にフランス・パリで生まれた世界最大のチョコレートの祭典です。日本では三越伊勢丹が主催し、2025年で23回目の開催となりました。今年のテーマは「Moment/Infinity 一瞬と、無限と、ショコラと。」。25カ国・140以上のブランドが伊勢丹新宿店に集結しました。
開催は3部構成です。
- PART1(1月15〜20日):Bean to Barブランドが中心
- PART2(1月24〜29日):フランスを中心とするトップシェフが集結
- PART3(2月1〜14日):バレンタイン向けの総括期
わたしが毎年参加しているのはPART1のBean to Bar期です。
なぜボンボンショコラではなくBean to Barなのか
「サロショといえばボンボンショコラ(一口サイズの高級チョコ)では?」と思う方も多いと思います。正直に言うと、Bean to Barを選ぶ理由のひとつは価格の手頃さです。ボンボンショコラは1粒数百円〜というブランドも多く、コレクション的に揃えると一気に高額になります。
ただそれ以上に、Bean to Barには「産地ごとのカカオの顔を一度に味わえる」という魅力があります。同じカカオ70%でも、ボリビア産とベトナム産では香りも酸味もまるで違う。その違いを一日で体験できるのがBean to Bar期の醍醐味です。
地理が好きなわたしにとって、産地のラベルを見ながら「ここはどんな土地だろう」と想像しながら食べる時間は、チョコレートをおいしく食べるだけの行為を超えた体験になっています。
2025年PART1:Passmarketに当選して得られた特別な朝
サロショPART1への入場は、PassmarketというYahoo!JAPANのシステムを使った抽選が行われます。過去5年で当選はわずか1〜2回という狭き門です。
2025年は運よくPART1の抽選に当選し、午前の最初の時間帯で入場することができました。当選者は混雑前の会場をゆっくり回ることができるため、人気ブランドのショーケースをじっくり眺める余裕がありました。
さらに午前の時間帯は、有名なショコラティエや創業者が会場に来ていることが多く、直接話を聞ける機会があります。今年はENCUENTROの創業者の方にお話を伺うことができました。生粋のショコラティエではなく、異業種から「チョコレートで世界と繋がりたい」という情熱を持って挑戦した二人だということで、その熱量がとても印象的でした。
【Passmarketに関わる企業と高配当株投資との意外な関係性について】
今年購入した5ブランドの記録
① EL CEIBO(エルセイボ):ボリビアから来たTree to Barの実力
EL CEIBOはボリビアの農業協同組合が手がけるブランドです。48の組合・1,300家族が集まり、カカオの栽培から製造まですべてを自分たちで行う、世界でも珍しい「Tree to Bar」メーカーです。
ボリビアらしいフレーバーが揃っており、あまり日本のBean to Barでは見かけないラインナップに惹かれました。今回購入したのは6種のアソート食べ比べセットです。ウユニ塩湖の塩を使ったタブレットやコーヒーフレーバーなど、産地の個性を活かした構成が面白い。
なかでも特に印象に残ったのが「ヘリテージカカオビーンズ」というタブレットです。人間の手が一切加えられていないカカオの木から収穫したカカオを100%使用したという、非常に希少な一枚。口に含むと、酸味と苦み、ナッツのような香りが絶妙なバランスで広がります。「野生のカカオを食べている」という感覚は、これまで経験したことのない食体験でした。
② FILFIL:金沢で気になっていたブランドとの再会
FILFILは金沢を拠点にするBean to Barブランドで、旅行の際に気になっていたブランドです。サロショで出会えたことで、ようやく手に取ることができました。
購入したのは「加賀棒ほうじ茶」と「ベトナム・ダクラック70%」の2枚です。
加賀棒ほうじ茶は、石川県で有名な棒ほうじ茶を使ったタブレット。封を開けた瞬間に香ばしいほうじ茶の香りが漂い、チョコレートとの組み合わせが自然に溶け合っています。ベトナム・ダクラック70%は、苦みが少なくまろやかな甘みと酸味が特徴的な一枚。仕入れてから長期間熟成されているためか、角がとれたような柔らかい味わいで、自分の好みにぴったりでした。
③ ENCUENTRO:異業種からの挑戦者が作るコロンビアのチョコ
ENCUENTROはコロンビア産カカオを使うBean to Barブランドです。今年のサロショでは創業者ご本人から直接お話を伺うことができました。
もともとチョコレート業界とは無縁の世界で働いていた二人が、カカオへの情熱をきっかけに業界に飛び込んだというストーリーは、「好きなものや信じるものに投資する」という考え方と重なるものがありました。
購入したのは70%と85%の2種類です。85%はハイカカオながら苦みだけでなくしっかりとした酸味が感じられ、食べ進めるほどにカカオの複雑な表情が広がります。70%は苦みと酸味が混在しながらも比較的食べやすく、Bean to Bar入門にもおすすめできる一枚です。
④ 蕪木:サロショで必ず買う、外れなしのブランド
蕪木は東京・台東区でカカオ・チョコレートの工房と喫茶室を営むブランドです。大手チョコレートメーカーでの研究開発経験を持ちながら、伝統的な製法を重んじたクラシックなチョコレートを作り続けています。
5年通い続けたなかで確信しているのは、蕪木のチョコレートは外れがないということです。どのフレーバーも一定以上の完成度があり、サロショでは必ず手に取るブランドになっています。
今年購入したのは「山の茶」というタブレットです。
抹茶チョコレートといえばホワイトチョコに抹茶フレーバーを加えたものが主流ですが、蕪木の山の茶は京都山城産の希少な茶葉をダークチョコレートに合わせています。カカオの重厚さと抹茶の清涼な香りが交互にやってくる、他ではなかなか出会えない味わいでした。訪問時点ですでに他のフレーバーは売り切れが出ていたほどの人気ぶりで、早い時間に入場できたPART1当選者の特権を実感しました。
⑤ DIOGO VAZ:政変と復興の歴史を背負ったカカオ
最後に紹介するのが最も印象深い一ブランド、DIOGO VAZです。
使用しているのはアフリカ西岸の小さな島国サントメ・プリンシペ産のカカオです。かつてサントメ産カカオは世界的に評価されていましたが、内政混乱と不適切な財務政策による産業崩壊によってカカオ栽培が難しくなった歴史があります。近年、現地の団体の活動によって復興を遂げ、再び世界市場に出始めています。
生産量が少なく流通量も限られているため、日本で手に取れる機会は非常に稀です。「産地に思いを馳せながら食べる」というわたしのチョコレートとの向き合い方において、このブランドほど「背景ごと味わう」ことを意識させてくれる一枚はありませんでした。
配当金28,928円と、チョコレートの祭典
2024年12月に届いた配当金28,928円の使い道のひとつが、このサロショへの参加です。
「この銘柄の配当金と同じくらいの金額だな」と思いながらチョコレートを選ぶ瞬間があります。特別なことではないけれど、自分が少しずつ積み上げてきた投資の果実が、こういう体験に変わっているという静かな実感があります。
投資も、チョコレートも、産地を知るほど面白くなる。そんなことを感じた1月の朝でした。
PART2(有名パティシエ期)の体験については次の記事でお届けします。
【サロショ企画②】
【2024年12月配当金報告記事】
まとめ:来年のサロショに向けて
- サロン・デュ・ショコラ2025は25カ国・140以上のブランドが伊勢丹新宿店に集結
- PART1(Bean to Bar期)はPassmarketの抽選に当選すると混雑前の午前に入場できる
- 当選者は創業者・ショコラティエと直接話せる貴重な機会がある
- Bean to Barはボンボンショコラより手頃で、産地ごとのカカオの個性を一度に体験できる
- 蕪木は5年通い続けて外れなし・サロショで必ず買うブランド
- EL CEIBOのヘリテージカカオビーンズ・DIOGOVAZのサントメ産カカオは希少な食体験
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